【土地探し入門】「住宅建築ができない土地」の話

住宅用の土地を探しているみなさんはどのような基準で物件を選んでいるのでしょうか?
うちなーらいふなどのポータルサイトで土地を検索するとき、希望エリアの中から金額や面積で絞り込んでいくという人がほとんどだと思います。

土地探しでもっとも気を付けなければならないことは、住宅が建築できない土地が存在するということです。

単に安いから、面積がちょうどいいから、という基準だけで土地を選んでしまうと、いざ購入したら建築が難しい土地だったということになってしまうおそれがあります。

今回は建築不可物件の典型事例について紹介しますので、現在土地探しをしている方はぜひ参考にしてください。

 

建物の建築を制限する法律

住宅などの建物を建築するときは「建築基準法」という法律に従わなければなりません。
建築基準法では建物構造の基準や設備・用途などの制限が細かく設定されており、建築士は法規基準を満たすことを意識しながらオーナーの要望を設計図に描き込んでいきます。

しかし、建築基準法を守ればどんな建物でもつくっていいというわけではありません。

建物の建築は建築基準法のほかにも、都市計画法農地関連法都道府県条例災害を防止するための法律などあらゆる法規によって規制されており、多方面から法的問題をクリアしていかなければならないのです。

 

住宅が建築できない土地の典型事例

「建築ができない土地」とはどのような物件なのでしょうか。ここからはよくある典型的な事例を紹介します。

 

【事例①】市街化調整区域内の土地

「市街化調整区域」は、無秩序な市街化を防止するために建築等が抑制された地域のことを言います。
反対に市街化を促進する地域のことを「市街化区域」と言います。

都市の健全な発展と秩序ある整備を図っていくために、発展エリア(市街化区域)自然保護エリア(市街化調整区域)に区域区分されるのです。

市街化調整区域に指定された土地は原則として建物を建築することができません。

沖縄県内で市街化調整区域がみられるのは、現時点では那覇広域都市計画区域(那覇市、浦添市、宜野湾市、豊見城市、糸満市、南風原町、八重瀬町、西原町、与那原町、北中城村、中城村の11市町村)だけです。
上記の市町村で土地を探している方は、都市計画の区域区分に注意しましょう。

なお、一定の条件を満たす場合は例外的に市街化調整区域でも住宅建築の許可がおりる場合がありますので、気になる土地があるときは不動産会社に詳細を問い合わせてみましょう。

市街化調整区域でも住宅建築できるケース
・「緩和区域」に指定されているとき→自己居住用の建物なら建築可
・市街化調整区域になる前から建物が存在していたとき→既存宅地として開発の許可がおりる可能性あり

 

【事例②】接道義務を満たしていない土地

建物を建築するためには、その敷地が前面道路に一定の長さ以上接していなければなりません。
このことを「接道義務」といいます。

接道義務の定めがあることによって道路のない土地に建物が立ち並ぶことが防止され、住環境がよくなるだけでなく災害時の避難経路や消防車の通路を確保する効果があります。

一般的な住宅用地だと「幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」となっているケースが多く、道幅が狭い道路であったり、接道長さが2mよりも小さかったりすると原則として建築ができません。

また、建築基準法上の「道路」の定義についても明確に指定されています。
見た目は道路に接しているように見えていても、建築基準法で定義する道路に該当しないということも有り得ますので注意しましょう。

建築基準法上の道路の例非道路の例

・道路法上の道路(国道、県道、市道など)
・区画整理等で新しく造られている道路
・建築基準法ができる前から既に存在していた道路(既存道路)
・民間が築造し、行政から認められた道路(位置指定道路)

・里道
・専用通路
・農道など

なお、道幅が狭い道路については、敷地の一部を道路に提供して4m確保(=セットバック)することで建築ができるようになる場合もあります。

 

【事例③】農業振興地域の土地

「農業振興地域」とは、農業の振興を促進することを目的とする地域のことをいいます。
略して「農振(のうしん)地域」などと言われることもあります。

農業振興地域に指定された地域は、今後相当期間にわたって農業の振興が行われる予定の「生産性の高い農地(畑・田など)」が集まる地域であり、建物の建築については厳しく規制されています。

沖縄県内にも、市街地をすこし外れるとビニールハウスやサトウキビ畑などが広大に広がっている地域を見かけることがありますよね。
農業振興地域はそのようなイメージのエリアです。

農業振興地域内も、原則として建物を建築することはできません。

例外として農業従事者の住宅や農業に必要な建物は許可がおりる場合もありますが、農業関係者以外の人が新しく住宅を建築するのは基本的に難しいと考えましょう。

 

【事例④】急な傾斜(崖地)のある土地

敷地が急な傾斜(崖)に面している場合、条例で「崖地」の扱いによる規制がかかることがあります。
崖地に該当する土地だからといって直ちに建築不可というわけではありませんが、建物を建築するためには次の方法によって危険性をクリアしなければなりません。

・建物と崖の間に一定の距離(崖の高さの1.5倍)を保つように計画する
・構造規定に適合する擁壁を新設する

崖がない平坦な土地に比べると、敷地の有効面積が小さくなってしまったり擁壁工事に多額の費用がかかったりとデメリットが生じることに注意が必要です。
また、崖地が土砂災害警戒区域などに指定されている場合は規制がさらに厳しくなりますので注意しましょう。

 

【事例⑤】地区計画によって建築が制限された土地

地区計画とは、住民の合意によって定められる「地域のための街づくり計画」のことをいいます。
沖縄県内では特に区画整理の事業開始に伴って地区計画が施行されることが多く、建築基準法よりも厳しい制限がかけられることがあります。

建築の可否に関わる制限としては「敷地面積の最低限度」が典型的な例です。

「敷地面積の最低限度」は、敷地が一定の面積を下回る場合は建築自体することができないという規制です。
たとえば敷地の最低限度が200㎡と規制されている地区計画区域内で、150㎡の土地を所有していたとしても建物を建築することはできません。
このような場合は隣地の所有者から50㎡を購入して200㎡を確保するなどの対策が必要になります。

地区計画区域内で土地を購入するときは、規制内容をしっかり理解しておく必要があります。

 

区画形成された分譲宅地なら安心

ここで紹介した事例の他にも、さまざまな規制等で建築に支障が生じることがあります。
土地選びをする上では、問題なく建築できる土地かどうかの確認が重要なポイントとなります。

なお、安心して建築ができる住宅用地を購入したいなら『すでに区画形成された分譲宅地を選ぶ』という方法があります。
分譲宅地は住宅開発の専門業者が一戸建てを建てることを想定して企画した土地です。
法律上の諸問題はすでにクリアした状態で販売されているため、建築計画が立てやすく余計な費用がかからないというメリットがあります。

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